
1. 本の基本情報
『スラムに水は流れない』というタイトルのこの本は、ジャーナリストである國分功一郎(こくぶん こういちろう)先生によって書かれました。國分先生は、日本だけでなく世界中のさまざまな社会問題について取材し、現地の人々の暮らしや心に寄り添ったルポルタージュ(現場取材記録)を多く執筆している方です。
代表作には『現代の貧困――格差社会を生きる若者たち』や『世界の片隅で考える』などがあり、どの本も「普段あまり知ることのできない人々の現実」をわかりやすい言葉で伝えてくれます。國分先生は普段から「知ることが思いやりにつながる」という思いを大切にしていて、自身も過去に東南アジアのスラム街で何日も取材を続けたり、水のない地域で現地の人と一緒に生活した経験を持っています。
あるエピソードでは、現地の子どもたちが水を汲みに長い距離を歩く様子を目撃し、その姿から「水がないことは、単に“飲めない”だけではなくて、生活すべてに大きな影響を与える」という切実な現実を知ったそうです。その体験が、この本を書くきっかけにもなりました。
2. 著者エピソード
國分先生が『スラムに水は流れない』を書こうと思ったのは、ご自身が世界のスラム(開発が遅れた都市の一画)で実際に取材をし、多くの出会いや驚き、そして疑問を感じたからです。たとえば、水道がないスラムの暮らしを目の当たりにして「どうしてこの地域だけ水が届かないんだろう?」と不思議に感じたこと。そして、自分や日本の暮らしと比べて「当たり前だと思っていたものが、当たり前じゃない場所がある」と気づいたこと。
著者自身も、子どものころは水道の蛇口をひねれば水が出るのが普通だと思っていたそうです。しかし、大人になり世界を見てまわったことで「水を手に入れる大変さ」や「水がもたらす安心感」について考え直すようになったと言います。
また、國分先生が出会ったスラムの住民には「どんなに苦しい環境でも、明るく元気に生きている子どもたち」がたくさんいました。その姿がとても印象的で、「この光景をみんなにも知ってもらいたい、届けたい」と強く感じ、この本を書く原動力になったそうです。
3. あらすじ
物語は、アジアのとある大きな都市の片隅にある“スラム”と呼ばれる地域から始まります。この地域には、きれいな水道もなく、家はトタンや木はしで建てられていることが多いです。主人公は現地に取材に来た著者自身や、そこで暮らす家族――特に、毎日朝早くから水を汲みに街はずれまで歩く女の子「アナ」を中心に話が進みます。
アナの家族はとても仲が良く、どんな苦しいときも「みんなで協力すること」を大事にしています。町には、同じように水のない暮らしに悩む人々や、逆にちょっと工夫して楽しく過ごす子どもたちも出てきます。登場人物の中には水売りをしている少年や、大人たちの中には井戸を掘ろうとがんばる人もいます。
物語は、「一滴の水がどれほど大切か」「足りないものをどうやって補い合うのか」ということに目を向けながら進んでいきます。ささやかな幸せや日々の工夫が描かれ、最後まで希望を捨てずに生きていく人々の姿が印象的です。
4. 読み始める前の印象や期待
この本を手に取ったきっかけは、学校の図書館で「水に困っている人たちの話」として友だちにすすめてもらったからです。最初は「水がないスラムの話」と聞き、どんなに大変なのか、悲しい話ばかりなのかなと思っていました。
でも、表紙の写真や紹介文を見て、「本当に大切なものって何だろう?」「自分が当たり前だと思っていることが、世界のどこかでは当たり前じゃない」と一瞬で興味が湧きました。読み始める前は「ちょっと難しそうかも」と思っていましたが、「自分だったらどうするだろう?」と想像しながらページをめくってみたくなりました。
5. 読書感想文例
「読書感想文、もう怖くない!」たった3分で書ける魔法のテンプレートで書いてみました。
パターン1
【質問に対する回答例】
5. 本のタイトルを見て、「スラム」ってどんな場所だろうと思い、どんな人がどんなふうに暮らしているのか知りたくなったのでこの本を選びました。
6. みんなが協力して村に水を引くために苦労して頑張る場面が一番心に残りました。ふだん当たり前に使っている水が本当はとても大切なんだと気づいたからです。
7. 主人公の女の子が好きです。最初は自信がなかったけれど、困っていることを勇気を出して伝えたり、友だちとも協力できる強さがすごいと思いました。
8. スラムに住む人たちは水道が家にないせいで遠くの井戸まで水をくみに行くし、その水も汚れていて病気になってしまうことが多いと知って、とても驚きました。
9. 自分だったら、水がなかったらすごく文句を言ってしまいそうだけど、本の主人公みたいにみんなと知恵を出し合って協力したいなと思いました。
10. 水は当たり前ではなく、とても貴重なものだと分かりました。これからは水を大切に使いたいし、身近なもののありがたさをもっと考えたいと思いました。
11. 世界の他の暮らしや、自分の普通が当たり前じゃないことに興味がある友だちにすすめたいです。新しい発見があるからです。
【読書感想文】
私は『スラムに水は流れない』という本を読みました。本のタイトルを見たとき、「スラム」ってどんな場所なのかな、どんな人が何を思いながら生きているのかなと気になって、この本を選びました。普段の生活の中では、日本で水を使うことは何も難しくありません。ほしい時に蛇口をひねれば水はすぐに出てきます。でもこの本の中に出てくるスラムの村では、毎日水を手に入れるだけでも大きな苦労があることを、初めて知りました。一番心に残ったのは、村のみんなが力を合わせて水を引くために頑張る場面です。子どもたちも大人も、それぞれができることを考えて助け合い、一生けんめい働いていました。水が村に流れてきた時のみんなの心からの嬉しそうな笑顔が、今でも目に浮かびます。日本では当たり前のように使ってきた水が、本当はこんなにも大切で、手に入れるにはたくさんの努力が必要なんだと気づかされました。この本に出てくる主人公の女の子は、最初は「どうせ何も変わらない」と思っていました。でも、困っていることや自分たちの思いを勇気を出して大人たちに伝えたり、友だちと話し合ったりしながら、少しずつ前向きに変わっていきました。その成長する姿がとてもすごいなと思いました。私なら、もし村の水が止まったりしたら、すぐに「どうしてこうなるの」「いやだな」と文句を言ってしまいそうです。でも、本の女の子のようにみんなと意見を出し合って、できることから行動してみたいと感じました。そして、スラムで暮らす人たちの生活を知って、一番驚いたのは水道が家にないことが多くて、遠くの井戸まで重い水を運ばないといけないことや、その水もきれいではなくて病気になってしまうことがよくあるという事実です。日本に住んでいると考えたこともありませんでした。私たちが当たり前に思っていることが、世界では全然当たり前じゃないんだと気づきました。この本を読んで、私は水だけでなく、身近なことやものをもっと大切にしたいと思いました。無駄な使い方をしないようにしたいし、困っている人がいたら自分にできそうなことを探して、協力したり声をかけたりしたいです。この本は、世界にはまだまだ知らないことがたくさんあるということ、自分が過ごしている毎日に感謝する気持ちを忘れないことの大切さを教えてくれました。友だちや家族には、自分の普通が他の場所では全然普通じゃないことを知ってほしいし、知らなかった新しい世界を本を通じて見てほしいです。私はこれからもいろいろな本を読んで、知らないことを知ろうとする気持ちや、自分の思いを大切にしていきたいと思います。
パターン2
【質問に対する回答例】
5. 世界には安全な水すら手に入らない子どもがたくさんいるとテレビで知り、なぜそうなるのか自分で知りたくてこの本を選びました。
6. 村中の人が力を合わせて水道工事を完成させる場面が心に残りました。みんなの協力で大きな夢がかなうことに感動しました。
7. 足が悪いのに、どんな時も諦めない主人公の友だちがすごいと思いました。自分のできることを探して明るく頑張っていてえらいと思いました。
8. 毎日水をくみに行くだけで何時間もかかったり、井戸水が原因で体調を崩すこともあると知って驚きました。
9. 自分だったら困ったとき周りの人に頼るだけだけど、本の中の子みたいにアイデアを出したり、相談したりしてみたいです。
10. どんなに小さなことでも、自分ができる工夫や協力を大事にしたいと思いました。水をむだにせず、大切に使うことも忘れません。
11. ふだんの生活や身近な幸せについて考えたい人や、世界のことに興味がある友だちにすすめたいです。
【読書感想文】
私が『スラムに水は流れない』を選んだのは、世界にはきれいな水を手に入れることさえ難しい子どもたちがいるとテレビで知り、どうしてそんなことが起こるのか自分の目で確かめたくなったからです。本の中には、日本とは全然違う環境で毎日暮らしている子どもや大人たちがたくさん登場します。私は、主人公たちが毎日遠くまで歩いて水を運び、その水も汚れていて時には病気になることもあることを知り、とても驚きました。自分が何も考えずに使っている水が、世界のどこかでは本当に貴重で簡単には手に入らないことを思いながら読み進めました。一番心に残ったのは、村中のみんなが協力して水道工事を進めていく場面です。地面を掘る人、重たい道具を運ぶ人、お互い助け合って一つの目標のために頑張る姿に、私も何か困ったときは絶対にあきらめず、周りの人と助け合って力を合わせたいと思いました。他にも、主人公の友だちは足が悪いのに、できないことより「自分にできること」を探し、どんな場面でも明るく努力していました。その前向きな姿にとても勇気をもらいました。また、本を読んでびっくりしたのは、毎日の生活で水を手に入れるのに何時間もかかってしまうことです。日本では水はすぐ使えるけれど、ほかの国ではそうではなく、生活そのものが水に左右されていると知り、今の生活がどれほど恵まれているか考えました。もし自分だったら、大人にまかせるばかりで、自分から何かしようという気持ちになれないかもと思いましたが、この本の主人公たちは話し合ったり、アイデアを出し合って行動を起こしていたので、私も見ならいたいと思いました。水の大切さや、ひとつのことを成しとげるための協力は、自分の毎日の生活でもとても大事だと分かりました。これからは、無意識で水を使わず、一つ一つにありがたさを感じて過ごしたいし、何か困ったことがあった時は、友だちや家族と思いを出し合って協力することを心がけたいです。この本は、何気なく送りがちな毎日や身近にある幸せについて、改めて考えるチャンスをくれました。友だちや家族にも読んでほしいし、特に世界のことに興味がある人、身の回りの大事なもののことを知りたい人にすすめたいです。これからもこうした本と出合い続け、自分自身の考えや気持ちを大切にしたいと思いました。
パターン3
【質問に対する回答例】
5. ふつうだと思っている水が、世界のいろいろな場所でどう手に入るのかが知りたくて、この本を選びました。
6. 雨がふって道がぬかるんでいるのに、それでも毎日水をくみに行く子どもたちのがんばりがとても印象に残りました。
7. 体調が悪くてもやさしく家族を支えていたお母さんがすてきだと思いました。
8. 一日に使える水が少なくて、顔や手を洗うのもがまんしている場面があったのがびっくりしました。
9. 私だったら水をくみに行くのは大変でいやだなと思ってしまいそうですが、家族と協力してがんばろうと思いました。
10. 水の大切さや、ふだんから備えることの大切さを学びました。これからはむだにせず使いたいし、災害のときの準備もしたいです。
11. 水のありがたさに気づきたい人や、世界のくらしを知りたい友だちにすすめたいです。
【読書感想文】
『スラムに水は流れない』を選んだのは、自分が毎日当たり前のように使っている水が、世界ではどんなふうに手に入っているのかが知りたかったからです。本を読み進めて一番印象に残ったのは、大雨で道がぬかるんでいても、毎日水をくみに行くことをあきらめない子どもたちです。私は、学校の行き帰りでも天気が悪い日は外に出るのがいやになってしまうのに、子どもたちは家族やみんなのためにがんばって水を運んでいました。そのたくましさとやさしさにとても感心しました。また、この本の登場人物の中で一番すてきだと思ったのはお母さんです。自分の体調が悪いときでも笑顔で家族や子どもたちを支えていました。お母さんのおかげで家族みんなが明るく過ごせているように思えて、お母さんの強さとやさしさを見習いたいと思いました。さらに、この本を読んで本当にびっくりしたのは、一日に使える水が少なくて、お風呂に入ったり顔や手を洗ったりすることさえ、がまんしないといけない場面です。日本では考えられないことで、今まで自分がどれだけいろんなことをあたりまえに過ごしてきたかを感じました。自分だったら、きっと毎日水をくみに行くのは面倒でいやだなと思ってしまいそうですが、この本の中の子どもたちのように、家族や友だちと協力してがんばろうという気持ちになりました。また、この本から学んだことは、水の大切さだけではありません。もし災害などで水が使えなくなった時のことを考えて、ふだんから水をためておく準備や、防災のことにも気を配りたいと思いました。水をむだに使わない意識や、日々使えることへの感謝を忘れたくないと思います。この本は、水のありがたさに気づきたい人や、他の国のくらしに興味がある友だちにぜひ読んでもらいたいです。世界には私が知らなかった毎日があって、その中で工夫したり努力している人たちがたくさんいることを、この本を読んで知ることができました。今まで読んだ本の中でもとても心に残りました。感想文を書いている間にも自分の生活を見つめ直すきっかけになりました。これからも新しいことや知らない世界にふれる気持ちや勇気を大切にしていきたいです。

